会 期:2021 年 10 月 15 日(金)・16 日(土)・17 日(日)
会 場:東京美術俱楽部 出店 3F (ブース No.9)
詳しくは https://www.toobi.co.jp/special2021
―出品作品のご紹介―


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来国俊 (重要美術品 昭和16年認定)
鎌倉時代 1290年頃 刃長 2尺3寸3分5厘 70.8 cm 
鎌倉時代に山城国で繁栄した来派の代表工「来国俊」による本作は、
歴代将軍家に仕えた本阿彌家12代光常が来国俊と極め金象嵌を施し、
13代光忠の折紙が付く。 優美かつ健全な鎌倉期の太刀姿を示し、
保存状態も極めて良い。徳川将軍家5代綱吉から、側近、柳沢吉保の長子 安貞(後の大和郡山藩主)が
謁見の際に拝領したと徳川実紀に載る貴重な一振り。近年「愛染国俊」が有名となる。


長船長元 (重要刀剣) 鎌倉時代 1300 年頃 刃長 2 尺 2 寸 1 分 67.0cm  
備前長船を代表する名工長光門人である「長元」は、現存する作品は
少なく貴重である。一門の総帥である長光の太刀に同一手が存在し、
長光の側近であったと推察される。備前刀の特徴である乱れ映りが美
しく、保存状態も極めて良い。金梨子地鞘に桐九曜紋を金銀蒔絵で豪華に散らした上質な江戸
糸巻太刀拵は、大名所用に相応しく重要刀装 に指定される。


長光 (重要刀剣) 鎌倉時代 1290 年頃 刃長 2 尺 2 寸 66.8cm  
刀剣王国の備前長船派創設者光忠の子「長光」は、いずれの作品も
出来が優れ、数多くの文化財指定を受けている巨匠。本阿彌光遜が
「長光」と極め朱銘を施した本作は、優雅な太刀姿に備前刀の特徴
である映りも立ち、表裏に腰樋と二筋樋を段違いに彫る入念な仕上がり。武家の兵仗・儀仗太刀拵の
一つである出来の良い糸巻太刀拵が附帯する。近年「大般若長光」が有名となる。


堀川国広 (重要刀剣) 桃山時代 1600 年頃 刃長 1 尺 1 寸 2 分 33.9cm   
新刀期を代表する名工「国広」は、主家である日向国飫肥の伊東家に仕えた後、鍛
刀技術を磨き慶長年間に京都・堀川に定住した。桃山期の時代色をよく反映した大
振りな姿に良く約んだ鍛え、しっかりした二字銘は同工の優作と言える。表に素剣、
裏に護摩箸を端整に彫り、品格ある出来を示す。近年「山姥切国広・山伏国広」が
有名となる。五節句の一つ「七夕」図の上品な刀装具が揃った上質な黒漆塗鞘合口
拵が附帯する。


長船兼長 (特別重要美刀剣) 南北朝時代 14c 刃長2 尺4 寸1 分 73.0cm   
南北朝時代の備前長船鍛冶で人気ある長義門人。同派は備前伝に相州
伝を加味した相伝備前の作風で有名。本作もその特色を示し、互の目
を主調に丁子刃や腰の開いた刃等を交えた華やかな刃文に、地沸よく
ついた板目肌に綺麗な乱れ映りが立つ。幅広で地刃共に健全で切先延びた姿は、南北朝期の特色をよく
あらわした力強い出来をしている。


備州長船則光(特別保存刀剣)
永享十二年八月日 1440年 刃長 2尺1寸8分 66.0cm 70.8 cm 
室町時代の備前長船を代表する則光は、代々同名を名乗り後期まで続く。
添えられた年紀より4 代目であろう。時代の変遷を表した太刀銘は資料とし
として面白い。附帯する江戸後期の打刀拵は、江戸に住した「鶴仙斎義宗」一作の銀地総金具に革巻き鞘を
施した粋な作。鞘書から明治の愛刀家・伊東巳代治伯爵蔵と伝わる


長曾祢興里入道虎徹 号 石燈篭切 (特別保存刀剣)
江戸時代 1670 年頃 刃長2 尺1 寸3 分 64.5cm
細川利文子爵家伝来と云われる「石燈篭切」と号する長曾祢虎徹の優品。
号名は注文主の旗本・久貝因幡守に切れ味を証明する為、松の枝を切ろ
うとしたが勢い余り側にあった石燈篭まで切り込んだ物語に由来し、虎徹大鑑にも掲載されている。
「こてつ」は著名な人気刀工。寛文頃に活躍した本工は綺麗に約んだ精錬な地金を用いた実用本位の刀剣が
武家中心の江戸で人気を博した。近年「浦島虎徹・蜂須賀虎徹」が有名となる。

月山貞利令和二年仲秋 2020 / 刃長2尺5寸9分 78.4cm
人間国宝「月山貞一」氏の三男として昭和21年(1946)に生まれ、昭和44年
(1969)に師事し奈良に鍛錬道場を持つ。
新作刀展覧会などで幾多の特賞を受賞し、昭和50年(1975)無鑑査、平成
平成15年(2003)奈良県無形文化財保持者に認定される。鎌倉期から続く月山鍛冶伝統の綾杉伝(規則的な鍛え
肌)や緻密な刀身彫刻を継承し、世界的に高い評価を得ている。豪壮な相州伝の太刀姿に昇龍彫り映える本作
は、現代刀匠を代表する品格と匠の技が堪能できる。


山城大掾藤原国包 (重要刀剣)     
寛永五年二月日 1628年 刃長 1 尺 2 寸 8 分 39.0cm5厘 70.8 cm 
文禄元年(1592)奥州仙台に生まれ、後に伊達政宗のお抱え鍛冶となる。
寛永三年 (1626)山城大掾を受領、寛文4年(1664)没する。綺麗な柾目鍛
えに直刃で知られる大和保昌伝を継承し、本作は地刃共に明るく健全な
寛永五年(1628) の作。雪華文影蒔絵を散らした黒漆塗鞘に菊桐紋金具を合わせた、コントラスト華やかで格
調高い脇差拵が附帯する。


海老鞘合口拵(宮入小左衛門行平) 江戸時代 19c    
出雲松江藩10 代藩主 松平安定の子、松平直亮 なおあき 伯爵家伝来の注文作であろ
う。朱漆石目塗りした縁起良い海老鞘と、松江出身で土屋昌親門の寿親による葵紋唐
草図総金具が見事に調和する。品位ある大振りな小柄が一際目立ち大変珍しい。貴重
な蔵品小札が附く。
刀身(刃長 8 寸 4 分 25.4cm)は平成12年(2000)に宮入刀匠が高度な技術で補完してい
る。同工は人間国宝「宮入 行平」氏の二男として昭和32年(1957) 長野に生まれ、昭和52年 (1977) に師事。
新作刀展覧会などで幾多の特賞を受賞し、平成12年(2000)無鑑査認定を受ける。現在「全日本刀匠会」会長。


紺糸威五枚胴具足(武具一式) 江戸時代 18-19c
上級武士に相応しい保存状態良好な江戸中期の当世具足と、華麗な
サムライ文化を彩る武具一式。
紺糸と朱糸威しの配色が綺麗に調和した具足は面頬や生地がしっかり残り、
堂々とした鉄錆地三十二間筋兜には躍進・情報収集力・子孫繁栄を表した
兎図前立てが付く。黒石目塗鞘太刀拵、黒漆塗十二支図蒔絵弓、勝虫に
桔梗図蒔絵箙、牡丹図鐙と花文蒔絵螺鈿太刀掛と武士の備え一式となる。


黒漆塗海老尾形変り兜 江戸時代 17 18 c
重要な防具として鉄板を繋ぎ合わせた兜は、時代と共に重厚な星兜から筋兜へ変遷し
た。さらに桃山時代には個性あふれる武将たちが、特異かつユニークな造形で自己主
張を果たし、後代まで受け継がれた。活発で長寿、堅牢・強運を表し好まれた海老尾
をしなやかな曲線で意匠した本作は、急角度に垂れる綴 しころ に本小札を用い、附
属の頬当と共に作品レベルの高さを感じる。
所載:日本の名兜(中巻)笹間良彦 著 (昭和 47 年)/ かぶとの造形美―形象かぶと100選― 奈良県立美術館(昭和 57 年)


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